自主事業アーカイブ

上越真夏の音楽会

「上越真夏の音楽会」が7月25日(日)に上演されました。
出演者は、バリトン歌手の鈴木至門さん、三味線奏者の小竹勇生山さん、フルート奏者の仲野享子さん、ピアノ奏者の布施美穂さんの4名。アドバイザーとして、上越教育大学准教授の長谷川正規先生にご協力いただきました。

今までにない異色のコラボレーションとなるこの演奏会。
出演者の皆さんも初めての試みということで、メールやオンライン上でのやり取りを重ね、お互いに意見を尊重しながらもより良い音楽会にするための議論が行われました。

6月28日(月) 第一回音合わせ

ステージ横に出演者の皆さんが集まり、顔合わせと打ち合わせが行われました。
「三味線が入っていることが今回の演奏会の面白さです。」とプログラムの構成やまとめ役をしてくださった長谷川先生からお話しがありました。

演奏をしながらお互いの音楽を理解していく様は、流石プロの皆様。
音のバランスや表現の仕方など、試行錯誤を重ね課題点を見出していきます。

7月5日(月) 第二回音合わせ

二回目の音合わせでは、より細部に拘った音への注文が各アーティストから飛び交います。
真摯に音楽に向き合う4人の演奏家たち。3週間後に迫る本番に向けて、調整を進めます。

7月24日(土) 前日リハーサル

曲の合間のMCも含め、全体の流れを確認。
本番を意識したリハーサル。
心地よい緊張感の中、今まで以上の素晴らしいハーモニーが大ホールへと響き渡ります。

7月25日(日) 当日

午前中に最終調整。しっかりと腹ごしらえを済ませ、開演のベルを待ちます。

堂々と入場する小竹さん。静かなホールに突如響く三味線の音。会場の空気がピンと張りつめました。
1曲目は青森県民謡『中じょんがら節(津軽じょんがら節・中節)』。
弦を叩くバチの音と余韻が、体の隅々に沁みていきます。

ピアニスト・作曲家の布施さん。
三味線で演奏されることの多い「じょんがら節」をモチーフにして作曲された『じょんがら節トッカータ』を演奏しました。圧倒的な技巧に会場中が息を飲みます。

バリトン歌手として新潟県内で広く活躍されている鈴木さん。(実は農業家でもあります。)
ミュージカル「ラ・マンチャの男」の劇中の台詞を前口上に『見果てぬ夢』が始まります。
布施さんの伴奏と、鈴木さんの力強く情熱的な歌声が大ホールに響き渡りました。
お客様は一瞬拍手を忘れるほどに鈴木さんの歌声に魅了されていました。

1部の最後はフルート奏者の仲野さんによる『カルメン幻想曲』。
オペラ「カルメン」に登場する曲を用いた作品で、オペラを観たことがない方でも一度は聞いたことがあるような、有名なメロディが演奏されました。
仲野さんの今日の衣装は青いドレス。銀色のフルートと共にキラキラとステージを彩ります。

2部ではこの音楽会の醍醐味でもある珍しい組み合わせでの演奏が繰り広げられました。
フルートと三味線。バリトンとフルート、ピアノ。
今までに見たことのない豪華なコラボレーション!

プログラム最後の曲は「上越のうた~相馬御風・中山晋平メドレー~」。
上越の民謡「直江津小唄」「春日山節」「高田花見小唄」の三曲を、この演奏会のために布施さんが編曲して下さいました。
民謡といえば普段、お祭りなどで耳にすることが多いのではないでしょうか。そんな耳馴染みのある旋律が、4名の演奏家によって生まれ変わり、ホールいっぱいに素晴らしい響きが奏でられました。 演奏に合わせて手拍子が鳴り響き、会場が一体となり、皆さんの笑顔がはじけます。

終演後…

音楽会も大盛況の内に終わり、ほっと息をつく皆さん。
お客さんが帰られた後のステージで、記念に集合写真を撮りました。
達成感に輝く笑顔。素晴らしい演奏をありがとうございました。