自主事業アーカイブ

アウトリーチ「ポルトガルギター&マンドリン」

アーティストは、アコースティックデュオ「Marionette(マリオネット)」の、湯淺(ゆあさ)(たかし)さんと吉田(よしだ)剛士(ごうし)さん。
私達には馴染みのない、ポルトガルギターやマンドリンなどの弦楽器による、異国情緒あふれる公演が行われました。

6月15日(火) 清里小学校 開場13:45 開演14:00

午前11時、夏の気配が漂う中、上越文化会館にて湯淺さん、吉田さんのお二人と合流しました。
道行く途中の田んぼには若緑の稲が整然と並んでいます。
ようやく到着し、さっそく体育館へ荷物を運び入れ、リハーサルが始まりました。
その頃、学校はちょうど給食の時間。お昼の放送が校内に響いていました。

お昼は校長室をお借りして、用意していただいたお弁当を頂きました。

遠くから聞こえてくるギターの音に、体育館で待っている子供たちはちょっと落ち着かない様子。
先生の紹介でお二人が入場されると、初めて見る形の楽器に子供たちは釘付けになっていました。
湯淺さんはポルトガルギターの独特な形について、「表は玉ねぎ、裏は栗」と紹介。
あまりにもよく似ていたために、子供たちは大きな笑い声をあげ楽しげにしていました。
演奏が始まると途端に、南蛮の爽やかな風が吹き込みます。

弦の触れ方を変えて同時に2音を鳴らすハーモニクス奏法や、ギターのボディを叩いて音を鳴らすタンボーラ奏法など、弦楽器特有の様々な奏法の紹介がありました。
「踏切の音って聞いたことありますか?」と問いかける吉田さん。
近辺に電車が通っていないためか、子供たちの反応はイマイチ…。
しかし、マンドリンを使って吉田さんが踏切の音を再現すると、その再現度の高さに「すごい!」「この音聞いたことある!」と子供たちは声を上げました。

素晴らしい演奏の後に、子供たちからは感想とお礼の言葉が述べられ、お二人に花束が贈られました。

6月15日(火) 大学南町内会 開場18:30 開演19:00

地域の中に建つ新しい町内会館は、まだ木の香りが漂っています。
町内会の皆さまが、紅白幕や看板などで装飾された会場にて出迎えて下さいました。
リハーサルを行っている間、町内の子供たちがひょっこりと入口に顔をのぞかせ、
待ちきれないといった様子で中の様子を伺っていました。
家族連れ、お父さんお母さんが三々五々集まります。
そして、夜のちょっぴり優雅なコンサートが開演しました。

聞きなじみのない「ポルトガルギター」は、ポルトガルの首都リスボンで生まれたFado(ファド)という民衆の歌(日本では演歌を指す)に用いられる楽器です。
日本ではポルトガルギターを演奏する人は少なく、プロの演奏家はさらに少ないとのこと。たとえ楽器を購入しても、演奏するのではなく、部屋に飾る人がほとんどだそうです。
それに対し、マンドリンは高校や大学の部活動として演奏されることも多く、吉田さんはそれらのコンクールの審査員などを務められているとのこと。湯淺さんが「この人、本当は偉い人なんです。」と紹介すると、吉田さんは恥ずかしそうな笑顔で返します。
ユーモア溢れるお二人のやり取りに会場は笑顔に包まれました。
入口付近ではお二人が収録されたCDの販売も行われ、終演後には記念に買って帰られる方も多くいらっしゃいました。
和やかな雰囲気の中、町内会の皆様に見送られながら公民館を後にしました。

6月16日(水) 戸野目小学校 開場10:15 開演10:30

8時、ホテル前で合流し、出発します。
予定よりも少し早く到着。体育館では全校朝会が行われていました。
校長先生のお話が終わるまで待機!

一曲目はファドの有名な曲「暗いはしけ」が演奏され、ポルトガルギターの独特な音色を堪能しました。

「マンドリンやギターは1つのピックを使って演奏しますが、ポルトガルギターは2つのピックを親指と人差し指に括り付けて演奏します。演奏をするときにはいろいろな指の使い方があってね…」
そう話しながら、湯淺さんはテープでピックを指に括り付けるところを紹介してくれました。

吉田さんはマンドリンよりも小さなギリシャの民族楽器「バグラマ」を紹介。
陽気な曲調の音楽によく合う、特徴的なカラカラとしたかわいらしい音色が体育館に響きます。そんな陽気な旋律を聞いているうちにリズムに合わせて体が動いている子供までいました。
思わずクスッとしてしまうような、なんとも微笑ましい光景でした。

最後の曲が演奏されると、花束のプレゼントが贈られました。
そのお礼にとお二人からお返しのアンコールのプレゼントが!
子供たちの元気な手拍子にのせて、最後までお二人は楽しそうに演奏されていました。